「エヴァポ・クーラー」でフォークリフト作業時の熱中症対策

「最終更新日:2021年8月23日」


フォークリフトなどの作業時の暑さ対策にお困りではありませんか。
首筋から涼しくするエヴァポ・クーラー(ミストファン)をご紹介します。

職場での熱中症対策の重要性

暑い日本の夏

近年、日本の夏が昔より酷暑になっていると感じませんか。
気象庁のデータにも表れている通り、2020年の日本の平均気温の基準値(1981~2010年の30年平均値)から比べても0.95℃上昇しています。
また気候は極端化の傾向にあり、全国の猛暑日も増加しており、最近30年間(1991~2020年)の平均年間日数(約2.5日)は、統計期間の最初の30年間(1910~1939
年)の平均年間日数(約0.8日)と比べて約3.1倍に増加しています。

気温・降水量の長期変化傾向日本の年平均気温

細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差
太線(青):偏差の5年移動平均値
直線(赤):長期変化傾向。
基準値は1981〜2010年の30年平均値。

(出典:気象庁 各種データ・資料 日本の年平均気温)

全国[13地点平均]日最高気温35℃以上の年間日数(猛暑日)
(出典:気象庁 各種データ・資料 全国[13地点平均]日最高気温35℃以上の年間日数(猛暑日))

日本の気候が熱帯雨林気候に近づいているのではないかと思うほどの雷雨後の蒸し暑さで、「夕立の後、涼しくなる」という言葉が懐かしくなるほどです。
午前中、夜間を問わず、時には新緑の季節から暑さに気をつけなければならない気候になってきているのです。
この気温の上昇により日常生活はもちろんのこと、職場での熱中症対策、昔とは違う暑さ対策も大切になっています。

職場での熱中症に注意


“熱中症を引き起こす条件は、「環境」と「からだ」と「行動」によるものが考えられます。
「環境」の要因は、気温が高い、湿度が高い、風が弱いなどがあります。
「からだ」の要因は、激しい労働や運動によって体内に著しい熱が生じたり、暑い環境に体が十分に対応できないことなどがあります。
その結果、熱中症を引き起こす可能性があります。”

(出典:環境省 熱中症予防情報サイト 熱中症の予防方法と対処方法)

職場における熱中症の発生原因と症状
(出典:環境省 熱中症予防情報サイト 熱中症を防ぐためには)

熱中症には様々な症状があり、立ちくらみ、けいれん、頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐などが起こり、症状を放置すると普段と違う言動や、意識障害、全身けいれんなどが現れます。
厚生労働省が公表した、「2020年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(2021年1月15日時点速報値)によれば、職場での熱中症による死傷者数は2011年の422人から2020年には919人と10年ほどで倍増しています。
業種別でみると建設業、製造業、運送業などで多く発生しているようです。

2020年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況

熱中症による死傷者数の業種別の状況(2016~2020 年)
(出典:厚生労働省 2020年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況)

また、熱中症は屋外での作業ばかりではなく、冷房設備の整っていない屋内の高温多湿で通風が悪い環境においても発生しやすいため注意が必要です。
昨今の気象状況下においては、炎天下のみならず工場や倉庫内などで作業する際の熱中症対策も重要になってきています。
厚生労働省の公表したデータによると、2020 年の死傷災害の20%は明らかに屋内で作業に従事していたと考えられる状況下で発生しているようです。


(出典:厚生労働省 2020年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況)

さらに2020年からのコロナ禍において、マスクの着用が日常化、また外出機会の減少により暑さにからだが慣れないことなど、より熱中症になりやすい状況があるかと思います。
職場において熱中症を引き起こさないような環境づくりを行い、作業員の方の健康管理を徹底するなど、下記のような予防対策が求められています。

・暑さ指数(WBGT値)の把握
・暑さ指数を下げるための設備の設置、休憩場所の整備など
・涼しい服装等、作業時間の短縮、水分・塩分の摂取など
・健康状態、健康管理


“暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。
単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、
②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、
③気温の3つを取り入れた指標です。”

(出典:環境省 熱中症予防情報サイト 熱中症の予防方法と対処方法)

実際に熱中症による死傷者の多いとされる製造業や運搬業ですが、仕事場となる工場や倉庫では荷物の運搬等にフォークリフトが多く利用されています。
では、フォークリフトでの暑さ対策は具体的にどういうものがあるのでしょうか。

フォークリフト作業時の具体的な熱中症対策

フォークリフト作業時の暑さ対策として、以下のような方法が取られています。

◆座席に取り付けるシートタイプ
座席に敷くだけでお手軽で便利だが、身体を冷やしてくれない。

◆ファン付き作業着(ファンで服の中に空気を取り込む)
作業着の側面にファンがついているタイプであれば、フォークリフト作業時にも使用できるが、操縦席に阻まれて空気を取り込みづらい場合がある。
また、ファンやバッテリーがついているため、重く動きづらく感じることもある。

◆倉庫内において大型送風機
倉庫内の空気の流れをつくる点では良いが、フォークリフト作業員にスポット的に風を当てられない。

このように、フォークリフト作業員の方を熱中症から守るために様々な方法やアイテムがあり、それぞれに一長一短があります。

いろいろある暑さ対策の中からおすすめしたいのが、首筋に冷風を当てて身体を涼しくするミストファン「エヴァポ・クーラー」です。
熱中症は汗や皮膚温度で体温を調節できずに体温が上昇することで引き起こされるため、からだから熱を逃がすことが大切です。
その体温を効率的に冷やすには、首の両脇にある太い血管を持続して冷やすのが効果的だと言われています。
ずっと同じ姿勢で作業するフォークリフト作業員の方は筋疲労を起こしやすい傾向にあるため、身につけるタイプよりも動きやすく感じられると思います。
倉庫内、屋外で動き回るフォークリフトの作業員の方がより快適に作業できるよう、暑さが緩和できるミストファン「エヴァポ・クーラー」を詳しくご紹介します。

ミストファン「エヴァポ・クーラー」を詳しく解説

エヴァポ・クーラーの特長

最大8℃冷却された風

ミストが気化することによって冷却された空気を、ファンを使い、熱中症の予防に効果的と言われる首筋に最大8℃冷却(※)された風を吹きつけ、首筋を冷します。
※メーカー調べ。【測定環境】気温:31℃、湿度:42%、ノズルからの距離:50cm

濡れない細粒化されたミスト

2流体ノズルで気体の流れにより液体を粉砕・微粒化されたミストを吹きつけ、フォークリフト作業員の方が濡れずに涼しく快適な作業をしていただける製品です。
なお、屋外でのゴルフカートやミニ建機などにもご使用いただけます。

ミスト量・ファンのスピードが調整可能

ミストを体感しながら調節バルブを左右に回転してミスト量を調整できます。
また、作業環境に合わせてファンのスピード調整(強・中・弱の3段階)が出来ます。

ミスト量はこのバルブで調整できます。

身近なペットボトルが給水タンクに

エヴァポ・クーラーは、水道水や市販の水を使用することができます。
給水タンクはぺットボトルを利用するため、水の補充やタンクの交換が手軽にできます。

エヴァポ・クーラーの商品ページはこちらから

エヴァポ・クーラーEC-V-03の取付方法

エヴァポ・クーラーEC-V-03の構成品

エヴァポ・クーラーは、下記の写真のように段ボールに入って届きます。
まずは取扱説明書の「本体と付属品」の内容と照らし合わせて確認ください。

なお、チューブ、パーツなどはまとめて袋に入っていますので、重なって見えないこともあります。
確認の際は袋から出してご確認ください。


ノズル付ファン(取付け金具部緩衝スポンジ付)の取付け

車両の運転席周辺の支柱又は天井梁などの適当な場所に取付けてください。
取り付けに付属の結束バンド又は相当品等をご利用ください。


電動ファンの取付

本体の取付け

・運転席の周辺支柱又は固定できる場所に本体を配置してください。
 ※配置及び取付けについては、本体ケース取付セットや本体ケース固定ベルト等をご利用ください。
・本体ケース取付板を支柱に結束バンド等で取り付けてください。
・本体ケースブラケットを本体ケース取付板にはめこみ、本体ケース固定ベルトでしっかり固定します。
 ※本体をそのまま、若しくは取付板を使用して取り付ける際、振動により本体が移動しにくいように市販のスポンジ等の緩衝材をフォークリフトとの間に挟み込んで取り付けることを推奨致します。

本体ケース取付板の取付方法

必要に応じて本体ケース取付板を本体に取り付けてご使用ください。
本体を逆にし付属の 5 本のタッピングねじと平座金で写真のように本体ケース取付板を本体に取り付けてください。
※タッピングねじに過度な力を加えて締め付けないでください。本体が破損する恐れがあります。
※本体をフォークリフト等に取り付ける際に、ボトルケージが他と干渉して取付が難しいときは必要に応じて、ボトルケージ取り外しも可能です。

チューブ及びファン電源ケーブルの連結

ノズル付きファン側との連結

ノズル付きファン2組とも下記の内容で接続してください。
・「ノズル付きファン」から出ているチューブ(橙)とエアチューブ(オレンジ)を押込んで連結。
・「ノズル付きファン」から出ているチューブ(透明)と水チューブ(青)のミスト量調節バルブを押込んで連結。
・ ファン電源ケーブルについて、相手継ぎ手とのはめ合いを確認し、そのまま“クリッ”と音がするまで押し込んで連結。
※外す場合は、青色のリングを左(矢印の方向)に廻し、ケーブルを抜いてください。

チューブ(透明)と水チューブ(青)のミスト量調節バルブをしっかりと押し込んで連結。
しっかり押し込むと、▲マーク部分の隙間がなくなります。


チューブ(橙)とエアチューブ(オレンジ)をしっかりと押し込んで連結。
しっかり押し込むと、▲マーク部分の隙間がなくなります。


ファン電源ケーブルは矢印の向きをそろえて、”クリッ”と音がするまで連結。

本体側との連結

本体側の接手に下記の内容で「チューブ」と「電源ケーブル」を接続してください。
・「水(青)」・・・・水チューブ(青)
・「エア(橙)」×2箇所・・・・チューブ(橙)
・「ファン」・・・・ファン電源ケーブル
※水チューブ、エアチューブは、適当な長さで切断し、ご使用ください。出来るだけ直角に切断し、バリ等は除去してください。

ファン電源ケーブルは矢印の向きをそろえて、”クリッ”と音がするまで連結。

吸水チューブ、返水チューブの取付け

本体側の接手に下記の内容で「吸水チューブセット」を接続してください。
・「吸水(青)」・・・・吸水チューブセット 吸水チューブ(青)
・「返水(橙)」・・・・吸水チューブセット 返水チューブ(橙)
※吸水タンクに市販飲料水のペットボトルが利用できますが、異物等の混入が無いよう努めてください。
※ペットボトル内に水が入っており、吸水チューブ(青)の水フィルターが水の中に沈められているのを確認してください。

外部電源接続ケーブルの取付け

本体側の接手に下記の内容で「外部電源接続ケーブル」を接続してください。
・「入力(DC12V)」・・・・外部電源接続ケーブル
※相手継ぎ手とのはめ合いを確認し、そのまま“クリッ”と音がするまで押し込んで連結。
※外す場合は、青色のリングを左(矢印の方向)に廻し、ケーブルを抜いてください。

車両のバッテリーに接続してください。
本装置はDC12V仕様です。

車両バッテリーの電圧がDC12Vであることを必ず確認し、バッテリー形状に合わせ、ケーブルとの取り付けを行ってください。
※12V以外のバッテリーを搭載している車種の場合は、DC-DCコンバーター(別売)を使いバッテリーにつないでください。

エヴァポ・クーラーの使い方

エヴァポ・クーラーは、とてもシンプルな操作で動くミストファンです。
操作するボタンは「POWER(電源)」「PRIMING(送水)」「MIST(ミスト起動)」「STOP(停止)」の4種類とチューブの「ミスト調整バルブ」になります。

基本的な操作は「POWER(電源)」を入れると、ファンが回り、送風が開始されます。
「MIST(ミスト起動)」を押すと、ファンの中心部からミストが発生し(数秒かかります)、冷風が出ます。
風量の調整は「POWER(電源)」を押しながら「STOP(停止)」を押すことで、弱・中・強と変わり、ミスト量の調整は「水チューブ(青)のミスト量調節バルブ」を回して行います。
フォークリフトに取り付けた際は、ファンから首元まで距離が近いので、風量が弱でも十分な風を感じることができるかと思います。
ミストはバルブをわずかに回すことで冷風を感じることができますが、大きく開くことで濡れるほどの量のミストを発生させることも可能です。
屋外、屋内の違いや屋外の際は風の影響も受けるなどしますので、使用環境に合わせた最適な風量、ミスト量の調整を行ってください。

操作盤及びミスト量調節バルブの操作方法

リモコンにより遠隔操作

本体と同様の操作が可能で、リモコンの“△ ▽”ボタンでファンのスピード調整(強、中、弱の3 段階)が出来ますので、作業環境に合わせ調整してください。

注意;本体とリモコンは、必ずセットでご使用ください。他のリモコンで操作しても作動しません。

まとめ

今回、フォークリフト作業時の熱中症対策としてエヴァポ・クーラーをご紹介いたしました。
熱中症対策は環境も大切ですが、各々が普段から暑さに慣れていく、規則正しい生活を行う、水分補給をこまめにとる等を心がけて生活することも大切です。
ただ、厚生労働省の公表した「2020 年職場における熱中症による死傷災害の発生状況」のデータからもわかるように、多くの方が仕事中に熱中症にかかっています。
仕事中は作業員の行動が制限されることが多く、企業側が熱中症予防を積極的に行い、環境を整えることが重要になります。その一環として、フォークリフトへミストファン「エヴァポ・クーラー」をご検討いただけましたら幸いです。

エヴァポ・クーラーEC-V-03(ファン2個タイプ) 商品ページ

エヴァポ・クーラーEC-V-04S(ファン1個タイプ) 商品ページ

ブログ:エヴァポ・クーラー<実際にご使用されたお客様の声>
→ 実際にエヴァポ・クーラーを使用したお客様から貴重な感想をいただきました。

ブログ:エヴァポ・クーラー(ミストファン)を実際に操作してみました
→ 実際にエヴァポ・クーラーを使用した動画・コメントなどを公開しています。

ブログ:フォークリフト・ゴルフカート 夏場の猛暑対策用冷却ミスト装置「エヴァポ・クーラー」
→ 工場やゴルフ場の熱中症対策についてご紹介しています。

(参考:厚生労働省 2020年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況)
(参考:環境省 熱中症予防情報サイト)